『腕立て伏せ』と『ベンチプレス』の違い<その5>

2015年3月24日

こんにちは、ではでは、本日も『腕立て伏せ』について
語っていきましょう!

ここ最近は、大胸筋を鍛える

『腕立て伏せ』と『ベンチプレス』の"違い"

について私の考えを説明しています。

ちょっと、"理屈っぽいもの"になってしまっている気が
しないでもないのですが・・笑

でも、これは私が、「プロの競技者」としてトレーニングを
してきた経験からきているものになります。

なので、体の筋肉を大きく肥大させることを主な目的として
“ウェイトトレーニング"を行っている人や

いわゆる「筋トレの専門家」とはまた違った視点にもなっているかもしれません.

 

あくまでも、実際の運動や競技に役立てるという視点
私自身もトレーニングしてきたので、このサイトでも
基本的にはその立場でご説明していきますね♪

では、いってみましょう!

前回までは、こんな感じで記事を書いてきました。

→『腕立て伏せ』VS『ベンチプレス』効果が高いのはどっち?
→『腕立て伏せ』と『ベンチプレス』の違い<その1>
→『腕立て伏せ』と『ベンチプレス』の違い<その2>
→『腕立て伏せ』と『ベンチプレス』の違い<その3>
→『腕立て伏せ』と『ベンチプレス』の違い<その4>

 

前回の記事では、『腕立て伏せ』と『ベンチプレス』においての
「力点」の位置の違いを説明しました。

このイメージです。

<ベンチプレスの力点とエネルギーのイメージ図>

 ベンチプレスの力点


<腕立て伏せの力点とエネルギのイメージ図>

 腕立て伏せの力点

 

2つの徹底的な違いとは・・・

 

ここででも大きな違いは、

『ベンチプレス』においては
力点が「土台(ベンチ)」に固定されていて安定しているのに対し、

『腕立て伏せ』においては、力点が常に動いていて、その土台も不安定ということです。

ここまでは前回のときにも説明しましたね(^’^)

 

これは、もっと別の言い方をすれば、

“持ち上げる対象の違い"とも言えます。

『ベンチプレス』の時には、バーベルを持ち上げます!
『腕立て伏せ』の時には、自分自身を持ち上げます!

その時のイメージはこんな感じとなります。

 

~~『ベンチプレス』はバーベルを持ち上げる~~

  ベンチプレス持ち上げる対象

 

~~『腕立て伏せ』は、自分自身を持ち上げる~~
腕立て伏せ持ち上げる対象

これ、当たり前のことなんですけど、
この違いを本当に頭の中で理解している人はあまり
多くないのではないでしょうか?

ここを理解していないと、

『ベンチプレス』は、『腕立て伏せ』の上級版である!

なんてことを言ってしまうことになるでしょう。

違うのですね、これ。

この『ベンチプレス』と『腕立て伏せ』は、
全く異なる運動なんです。

 

つまり、ベンチプレスの場合には、大胸筋が背中を通して
しっかり土台に固定されているので、

このベンチを上手く使いこなすことが出来る人であれば、
自分の最大限の大胸筋の筋力を発揮出来るのです!

発揮しやすい条件なのです!

よく分からない場合は、こういった想像をしてみてください。

もし、ベンチプレスを行うときに、自分が使っているベンチが
フニャフニャだったらどうですか?

これじゃ、まったく力が入りませんよね。

正確に言うと、力は入るのですが、その力がバーベルに伝わらないのです!
フニャフニャのベンチによって、発揮した力がどこかへ逃げてしまうのですね。

だからこそ、ベンチプレスはしっかりと作られているのです。

 

 

腕立て伏せにおいて、大きな力を発揮するには・・

 

これが、『腕立て伏せ』になると、話が
まるで異なってきます。

持ち挙げる対象が、自分自身なので、
必然的に、主な力点である「大胸筋」も動き続けます。

そもそも力点が動いている状態なんですね。
こういった状態で力を発揮するには、

自分の体全体を使って、この力点の「安定性」を
作り出す必要が出てきます。

先ほどのイメージ図をもう一度見てみましょう。

腕立て伏せ持ち上げる対象

自分自身が「重り」ですよね。
『ベンチプレス』に例えてみれば、

自分自身が「バーベル」なのです。

もし、『ベンチプレス』において、重たいバーベルが
非常にモロイ素材、もしくは、フニャフニャだったらどうでしょう。

挙がりません(笑)

バーベルは固く、強固でなければ(=安定性)挙がらないのです。

これは、バーベルが重たいものであればあるほど、
より顕著になってくるものです。

つまり、周りくどい説明になってしまっているのですが
思いっきり極論を言ってしまえば、

『腕立て伏せ』とはこのバーベルの硬さを
自分の体で生み出すことなのです。

ここで言う硬さとは、自分の体全体の筋力です。
全身の筋肉を総動員して、この硬さ、強固さを生み出すのです!!

 

これは通常の腕立て伏せでは感じにくいでしょう。
前回のときにも書きましたが、

自分の背中に、誰か他の人を乗せることや
もしくは『片手腕立て伏せ』でも、感じることが可能です。

このような条件で腕立て伏せを行うときには
通常の腕立て伏せよりも、かなり体全体の筋肉を駆使していることに
気がつくはずです。

例えば、他人を背中に乗せた状態で、腕立て伏せを行うには
体を固くしておかないと、他人の重みで潰れてしまいますよね。

潰れてしまったら、力点(=大胸筋)から力を発揮することはできません。
だからこそ、体全体の筋肉でもって、この力点の安定性を作り出す必要があるのです。

そうです。“体全体の筋肉”です!!

ここが肝です。

これは、かなり極端な言い方になってしまうのですが

体全体の筋肉を総動員させて行う運動=『腕立て伏せ』

となるのです。

だからこそ、『ベンチプレス』よりも『腕立て伏せ』のほうが
より実際のほかの競技に近いものとなるのです。

さあ、今回はどうでしょう。
結論に近づいてきたでしょうか・・・・笑

誤解のないように言っておきますが

『ベンチプレス』も実際のほかの競技に役立つような
トレーニングとして有効なものですよ。

もしくは、「腕立て伏せ」にしろ、大胸筋により効果を
持たせるような方法もあります。

今回、私が書いているのは、もっと根本的な違いです。
トレーニングをしていく上での「アプローチの違い」にも
つながっていくことですね。

もう少しですかね(^’^)

こちらに続きます→→『腕立て伏せ』と『ベンチプレス』の違い<その6>